最終更新日2023年6月1日
ポリエチレンは、世界で最も生産されているプラスチック素材です。原料が安く、加工が容易なために単純な製法で作れるものであれば、大量に生産が可能です。
ポリエチレンとは、ドイツの科学者「ハンズ・ペヒマン」が発見したプラスチックの一種です。発見から商業利用までは長い時間がかかりましたが、1930年代から工業的な合成方法が開発され、1950年頃には安価で作れる技術が普及しました。
現在では、日本におけるプラスチックの生産量のうち、全体の約25%をポリエチレンが占めています。
身近なもので言えば、スーパーの袋などに使用されています。他にも、バケツなどの雑貨類から灯油を入れておくポリタンクなどにも使用されています。
日本では食品ラップのほとんどがポリ塩化ビニリデンで作られています。一方でアメリカでは環境に配慮してポリエチレン(PE)製の食品ラップが使われていることも多いようです。
ポリエチレンのメリットについてみていきましょう。
ポリエチレンは大量生産に向いているため、消耗品や頻繁に交換する物品のコストを抑えることができます。
ポリエチレンは寒さに強く、-20℃程であれば、変形や脆くなることがありません。
ポリエチレンは水を吸わないため、防湿性に優れています。比重も軽いため、水に浮きます。
ポリエチレンは油を含む様々な薬品と反応しにくい性質を持ちます。そのため、バケツなどの保存容器や、パイプなどの配管素材に利用されています。
ここからはポリエチレンのデメリットについてもみていきます。
ポリエチレンには耐寒性があります。しかし、70℃以上の熱で変形したり燃えてしまい、耐熱性が低いです。
ポリエチレンは柔軟性がある分、傷がつきやすく、強い衝撃などで変形しやすいです。
ポリエチレンは接着性が低いので、印刷や塗装には工夫が求められます。
ポリエチレンは、「エチレン」の重合法や分子量の違いによって、様々な種類が開発されています。ここでは代表的な種類と、主な用途をご紹介いたします。
低密度ポリエチレンは、Low Density Polyethylene(ローデンシティポリエチレン)のことを指します。ツルツルしていて、透明性のあるフィルムとして使われます。
工業製品の包装など、ものを埃から守ったり、傷や水などから防ぐために使われることが多いです。あのプチプチしている緩衝材にもこの低密度ポリエチレンが使用されています。
電気的性質が優れており生産された当時は、軍事用のレーダーに使用されていました。その後、フィルムとして活用されるようになりました。
主な用途:ラップフィルムなどの包装材、食品容器、ケーブルなどの被覆材
高密度ポリエチレンは、High Density PolyEthylene(ハイデンシティポリエチレン)のことを指します。低密度ポリエチレンに比べると、シャカシャカしているような素材感があります。
他にも、低密度ポリエチレンに比べて高温に耐える性質を持っており、強度にも定評があります。
主な用途:コンビニやスーパーの袋、バケツや灯油タンクなどの保管容器、文房具
EVAは、Ethylen-Vinyl Acetate (エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂)という樹脂です。弾力性や柔軟性に優れており、ゴムに近い性質を持っています。
最近のスポーツシューズなどでは、EVAをプレス整形してソールの一部に使われることも多いです。
軽量で耐久性が高く、多様な加工性、環境にも優しく安全に使える、などメリットが多い素材です。
主な用途:タイヤ、サンダル、パイプやケースなどの雑貨類
超高分子量ポリエチレンは、スーパーエンジニアリングプラスチックという高性能な素材に分類されるほど優れた素材です。
一般的なポリエチレンの分子量は数万〜30万前後なのに対し、超高分子量ポリエチレンの分子量は数百万〜700万もあります。
そのため、一般的なポリエチレンに比べ耐熱性や対候性に優れており、広い分野で活躍が期待されます。
主な用途:歯車やギア、船舶用のロープ、人工骨や義肢
今回は、ポリエチレンについてお伝えしてまいりました。
ポリエチレンは原料が安く加工が容易なために、大量生産に向いており、私たちの生活にも幅広く使用されている素材です。
ひとくちにポリエチレンといっても、さまざまな分類分けがされており、種類によって大きく用途も異なります。
くればぁでは、丸抜き、寸法切り、ご希望のサイズにカットすることも可能です。お気軽にお見積もり依頼ください。
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